□□ 無意識にパターンを連続・連結・変形させていたころの課題作品 □□
□□ ジャイアンツ・コーズウェーに出会う □□

本の中にそのページをみつけた瞬間「ここだ!と思った」と彼女は語っている。
その場所は、イギリスの北アイルランド地方にあり、溶岩が海水に急速に冷却されることで作られた六角柱の石柱が並び立つ、世界遺産にも登録されている場所だった。
それらの石柱は、まるで海底から次々と海面に顔を突き出してはそびえ立ち、それらが密集することで、やがて原初の陸地が生まれたのではないかと思わすような、想像を絶する姿をしていた。
彼女はそこを「自分の中に在る風景を再現したような場所」と表現している。
実際ある場所を指して、「再現した」とは、おかしな言い回しに聞こえるかもしれないが、彼女が作品を造るたびに思い描いていた“彼女の中に在る風景”は、実際こんな顔をしていたのだろう。

講談社「世界遺産8 西ヨーロッパ」より
そしてこの出会いは、彼女により明確に“自分の中に在る風景”を意識させることとなった。また、それらを【実際に作品として外に出したこと】それを【自分の外側にもみつけられたこと】という二つの過程を経て、彼女は「どういう作品を造りたいのか」造っていきたいのか」ということを強く意識するようになっていった。
ひとつのモチーフの連続・連結・変形それが、目下彼女の追いかけるテーマであり、それを決定的に意識させた場所ジャイアンツ・コーズウェーに、近い将来実際行くことが、彼女の予定する未来となった。その場所に立ち、その空間に包まれることで、彼女に新たな刺激と興奮、或いは懐かしさや安らぎのようなものが生まれ、彼女に鮮やかで意味深い感慨が生まれることを願っている。また彼女は、これまでも【作品を包み込む空間】【作品が在ることで生まれる空間】にも興味を持って取り組んできており、この先、国宝・重要文化財を含む三井寺、日吉大社等の寺社仏閣を展示スペースとする一風変わった展示空間を考案・実践している大学へ進学することで、よりその考察を深め、大きく成長してくれるものと期待している。